2015年9月6日日曜日

フリゲRPG「歪者行進曲」を再レビュー! 高難度と中二感が生み出す快楽的世界

どうも、「Mystic Star」の記事を多くの方に読んでいただき、ありがたく思っています。今回は前のブログでレビューしたゲームをもう一度取り上げてみようと思います。フリゲRPG「歪者行進曲」です。再レビューしようと思った理由は、個人的に面白いと思うゲームであるにもかかわらずあまり注目されてないのではと思ったことと、レビュー記事を書き始めだった頃だったので文章があまり未熟だったので書き直そうかと思ったことでしょうか。作者さんとはレビューをきっかけに色々話をうかがっているおります。

さて、あらためましてフリゲRPG「歪者行進曲」をレビューします。制作者はンギョッポラーヌ氏。主人公であるレヌンヴェイドとドラヴォロワが、自分たちの村の人々を殺戮した「憎獄人形0118」への復讐を行なう物語です。本作はダンジョンを探索しながら装備を集め、待ち受ける強敵たちに挑む「ボスラッシュ」型のRPGです。雑魚戦はチュートリアルである序盤のみで、ボスとの戦いに重きを置いてあります。レベル制がなく、装備や技能で二人の主人公を強化してゆきます。

で、このゲームの特徴は、詰将棋のような高難易度戦闘、中二感バツグンのテキスト、BGMとマップのセンスの高さにあります。


①詰将棋のような高難易度戦闘

本作はターン制のRPGです。しかし普通のRPGと違い、なんとなくレベルを上げ、なんとなく勝つということは起こり得ません。敵は高威力のダメージや凶悪な状態異常を多用してくるため、どんな装備と技能で戦うのかを考えなければ絶対勝てないです。

本作ではSPと呼ばれるポイントが重要で、技能・自己回復・防御を行なうために必要になってきます。SPがなくなった場合「呪印」コマンドで敵からSPを奪えます。しかし1ターン余計な行動をしている内に、全滅なんてことはざらです。

もう一つの重要要素は「味方が倒れても、もう片方が1ターン耐えきればその復活が確定する点(説明書より)」です。つまり敵の猛攻を耐えきれれば、反撃のチャンスが回ってくるということです(ちなみに、戦闘不能は普通の回復技でも復活します)。

いかにHPやSPを回復し、耐え、隙を見て攻撃するかが戦闘の鍵となります。敵はパターンで攻撃するケースが多く、1ターンごとに対策を練ることで突破できることもあります。感覚的には、詰将棋によく似ています。ちなみに全滅してもデスペナルティなく復活するので、ゲームルールさえわかっていれば試行錯誤が苦になりにくいです。

②中二感バツグンのテキスト
まぁ、コレを見てください。

蛆の湧いた杖
「人骨と腐肉/不条理後141年/無殺中立物」
…装備の説明のはずなのに異質感が半端じゃ無いですよね?(どうやら武器の素材と作成時期と殺傷数みたいです)。本作のテキストは難解なものが多く、装備の名や説明・敵の名前・途中で拾えるメモ書きなどにこだわりが見られます。あとは大ボス「憎獄人形0118」の狂いっぷりが見どころです。同情の余地のない、話の通じない相手であることがすぐに分かるはず。こういったテキストにより本作は独特の雰囲気を味わえます。また異質なだけでなく、本作のバックストーリーは複雑な情報が一本の線に繋がってゆくので、それを追う楽しさもあります。

まぁ最初はぶっ飛んでてビビりますがね(^_^;)。

③BGMとマップのセンスの高さ

本作のマップと音響効果はよく練られています。音楽の選曲やマップの作りが良いだけでなく、効果音や飛び立つ鳥や雨の演出などにもこだわりが見られます。戦闘曲は種類豊富で、熱い曲が多いです。実際プレイして体感してみるのがオススメです。

これら高難度×中二感×音響とマップの相乗効果によって、中毒的な高揚感を得られます。特に熱いBGMの中起死回生でボスを倒した時こそ、このゲームの真の楽しさを感じられると思います。

「中二」っていうのはネタにされがちですが、極めると恐ろしいほどの快楽の世界があります。難易度により敷居は高いかもしれませんが、ハマる人は徹底的にハマるゲームです。ぜひどうぞ~!