2017年9月24日日曜日

雑記、RPGに勢いがついてきている?

今回も雑記です。

今年に入って感じるのは、近年まで勢いが全く無かったコンシューマーのRPGに勢いがついてきたのではないか、という話です。去年発売したペルソナ5、FFXV、今年発売したニーアオートマタ、ドラクエXI、今後発売されるゼノブレイド2、オクトパストラベラーと、規模が大きいRPGの躍進が目立ち始めています。それに合わせ、RPGの売り方そのものが変わってきたのかなと見受けられることも多かったので、少し書いていこうと思います。

ひとつ目は、メーカーが国内外での販売を視野に入れたこと。FXVやペルソナ5やニーアは海外でも売上を伸ばしていますね。かつては国内の売上を頼りにしてきたRPGですが、開発規模が大きくなるのに反比例し、国内市場はどんどん縮小しました。ガラパゴス的なゲーム性であったことで、海外ではウケないと思われていた節がありました。しかしアニメやターン制バトルを採用した、コテコテのJRPGであるペルソナ5が受け入れられているところを見ると、実はそうではなかったのかもしれません。

ふたつ目は、ハードの垣根が取り払われたこと。例えば「イケニエと雪のセツナ」はPS4、Vita、Swich、Steamなど、幅広いプラットフォームで売られています。ドラクエヒーローズやビルダーズがSwitch移植されることを見る限り、その傾向はこれから増えていくのではないかと思います。ハード性能に依存しないのであれば、幅広くゲームを提供できるメリットがありますね。もちろん最先端技術を使ったRPGならハードは限定されますが、実際のところ中規模のRPGならそこまでスペックは必要ではありません。大作傾向のゲームばかりだとプレイヤーは疲れてしまいますので、こういったゲームが上手く隙間を埋めてくれると良いですね。(ということで、サガスカーレットグレイスの移植を頼む…)

みっつ目は、プレイヤーの世代交代が進んだこと。RPG以外で近年大ヒットしたスプラトゥーンやマインクラフトから見るに、爆発力を生み出すのは、やはり若い世代をターゲットにしたソフトだと思います。シリーズものRPGの売上が減っていることを考えると、新規層を開拓するのがいかに大切かが分かります。もちろん固定ファンは昔ながらの遊びを求めていることが多く、例え失敗があっても根強く買ってくれることも多く、彼らのことも同時に大切にしなくてはいけません。ドラクエはここが上手く、ソニーと任天堂の両ハードに向けプレイヤーの年齢や嗜好に合わせた派生作品を出し続け、本編のドラクエXIの両ハードの売り上げを同時に伸ばしました。

やはり、ヒット作の背景には時代の変化を感じます。そういえばどのゲームもおしゃれになってきましたね。これもまた時の流れでしょうか…?とりあえず、RPGの流れは今後も追っていきたいと思います。しかし今の自分はVCでFFVにロマサガ2と時代を逆走中。むむむ…。以上です。

2017年9月18日月曜日

雑記、あんまりよろしくない話

今回は楽しくもない話なので回れ右推奨です。

今年は良い兆候もないまま1年が終わりそうな気配がしています。寒暖差や気圧の影響で体調が崩れ、肩や首の痛み、身内のうんぬんで安心した生活が送れないなど、散々な状況です。遂には持病もぶり返す始末。最近睡眠環境がやや改善して、痛みは収まってきたものの、焼け石に水。で、これで割りを食っているのがフリゲプレイとフリゲ制作です。

去年あたりはかなり捗ったプレイと制作ですが、自身の余力で行っていたので、それが削り取られるとどうしようもない感じです。しかもプレイに関してはどことなく無理に遊ぼうとする自己圧迫感があり、制作は行き詰まりでのたうち回っていたので、そこに不調が加わると手が止まってしまいました。一応なんだかんだで市販のゲームは遊んでますけど、そろそろそれも止まりそうな感じ。

で、さてどうしようと云うところです。明るく振る舞っているものの、夏前から限界が来ており、ツイッターの書き込みも激減しています。ブログのペースも落ちました。こういったとき気軽に人に相談したり愚痴を言うのが苦手な性格は不便ですね…。

友人曰く、環境を変えることは大切だそうです。そろそろ本気で自分が住んでいる狭い世界から飛び出したいところ。学生の頃は京都に憧れを持ってましたが、結局機を逃してしまいましたね…。東京は怖い印象がありましたが、去年遊びに行って少しだけ印象が変わりました。他人の目を気にしないで生きられそうなのが強みでしょうかね。

とは言え、一歩を踏み出すために足りないものだらけでのような気がします。自分を信用信頼することが出来ませぬ。

以上です。ヤマオチありませんのであしからず。

2017年9月16日土曜日

Newニンテンドー3DSシリーズ、サイズ別のメリットとデメリット

どうも、ノンジャンル人生です。久しぶりにブログを触った気がします。

先日、ちょっとしたことからNewニンテンドー3DSLLの一部が破損してしまい、思い切って新しいものを買いました。PS4やSwitchを買う資金にあてても良かったのですが、ちょうどSFCVCでFFシリーズが配信されたのと、興味のあるゲームがまだまだ出そうなので、自分の欲求に素直に応じてこちらを買いました。あと、部屋が手狭で、据え置き機を十分楽しむ環境がないのも理由ですね…。

で、今回買い換えるにあたって、LLから普通サイズのNewへと買い換えました。本来であれば大きい画面サイズに替えるのが一般的ですが、LLを使い続けての不満な部分もあり、元々普通サイズにも興味があったのが、小さい方を買った理由です。それに普通サイズは生産が中止となり、今しか買えないことも背中を押しました。

で、普通サイズはいかがかというと、やはり画面が小さいですね(笑)。以前の無印3DSからNewLLにしたときはそこまでインパクトはなかったですけど、再び小さくしてみるとやはり小ささを感じます。一方で小さくしたことによるメリットもかなり大きかったので、無印も含め、それぞれのメリットデメリットを挙げていこうと思います。ニンテンドー3DSは問題点が多い初期版の印象で語られる事が多いので、今あらためて比較することで今後買い換える予定の人の参考になればと思います。

◆ニンテンドー3DS(初期)
・3D立体視を売りにしているのが本機の最大の特徴ではあるものの、立体視の精度に関してはまだ不十分。6年前のハードだしね…。
・解像度の低さを批判されがちだけど、立体視を使うことで画質がカバーされる。が、激しいアクションをプレイすると立体視が左右にブレやすく、強みがなくなってしまう。
・初期のゲームは小さい画面サイズであることを前提に作られているためか、画面の小ささをあまり感じなかった。
・VCもGBなどは元々携帯ゲーム向けなためか、画面の小ささを感じない。FCも問題なし。
・Newシリーズと比べ、ブラウザやeshopの立ち上げが遅い。モンハンやスマブラの起動もかなりの差がでる。
・生産終了しており、New・2DSシリーズが充実した今、わざわざ中古で買う必要はないと思う。
(無印LLは未所持&NewLLの下位モデルなので飛ばします)

◆Newニンテンドー3DS
・画面サイズが地味に1.2倍になっている。ハードのサイズは変わらず、持ち運びやすさを損なっていない。
・3Dブレ防止機能が備わっていて、ブレをほとんど感じない。後述するけど、NewLL以上に精度の高さを感じる。
・新たに追加されたCスティックやZLRが押しやすい。
・最近のゲームはLL向けに調整されているのか、文字の小ささを感じてしまうのが最大のデメリット。ゼノブレやモンハンクロスなどは特に感じた。
Newで出来るSFCVCが、他のVC以上に画面の小ささを感じやすい。
・きせかえが出来るが、生産終了した今からは集めづらいかも。本体も残り少ないので買うなら早めに。

◆Newニンテンドー3DS LL
・画面サイズが1.9倍で大きいのが一番のメリット。サイズアップで画質が荒くなるものの、見やすさはダントツ。
・3Dブレ防止機能が備わっているが、ズレの補正がたまに入って煩わしさを感じる。
ハードが大きくて重く、携帯機の範疇を越えている気がする。長期プレイや持ち運びに向いておらず、気軽なプレイは通常サイズのほうが上。
・それでもNewではないLLよりも軽くなっている。
操作感はあまり良くない。特にモンハンでCスティックの力加減が上手くいかなかった。
・下サイド部分のコーティングが剥げたので(修理に出したけどまた同じようになった)、メタリックはオススメしない。

所持済みのものはこんな感じ。ついでに他のシリーズについて聞いた評価を付け加えると

●ニンテンドー2DS
・立体視がない。New対応ではないので、遊べるソフトは少ない。だが新品でも1万円以下で買えるので安い。

●Newニンテンドー2DS LL
・立体視がないものの、New対応ゲームが遊べる。
軽い。Newの通常サイズと7gしか変わらない。
スピーカーの位置が変な場所にあり、音が遮られるのでイヤホン推奨。

以上。
一通り見る限りどれも一長一短。まとめると

1.操作感と持ち運びに優れるが文字の小ささを感じるNewニンテンドー3DS
2.画面サイズが圧倒的だが重くて大きいNewニンテンドー3DS LL
3.大きさと軽さを両立しているものの立体視がないNewニンテンドー2DS LL

という感じかなぁ。なのでプレイスタイルやソフトによって選ぶのがいいと思います。マリオ・ゼルダ・カービィ・どうぶつの森などは立体視の完成度が高く、New2DSでは味わえない魅力もあります。一方モンハンのような激しいアクションや、ポケモンドラクエのような立体視の必要性の少ないRPGは、軽くて大きいNew2DSがいいかも。(ただ理想的な事を言うなら、New3DSとNew3DSLLの中間サイズがあるか、軽量版New3DSLLがあって欲しいところ)

Switchが売り切れ続出の今買う人は減っていると思いますが、ソフト充実しておりSwitchに移植されないものが多そうので、実は買いどきかもしれません。そのうちおすすめソフト挙げます。ではでは。

2017年8月7日月曜日

アライアンス・アライブ:RPGへの愛が注ぎ込まれた、失われた青い空を取り戻す物語

どうも、ノンジャンル人生です。最近やっと暑さが落ち着いてきました。しかし残暑や気圧の急な変化は続くようなので、対策を万全にしておきたいところ。


さて、今回はニンテンドー3DSのRPG、『アライアンス・アライブ』を紹介します。発売元はフリュー、サガのバトルデザインを手がける小泉今日治氏や作曲家の浜渦正志氏など、前作『レジェンドオブレガシー』のスタッフが引き続き参加し、それに加え『幻想水滸伝』シリーズの村山吉隆氏がシナリオを手がけています。

先に結論から言うと、めちゃくちゃ面白かったです純粋でまっすぐな物語とキャラクター、ロマンあふれる世界観とBGM、ゲームテンポの早さ、フィールド探索の楽しさ、駆け引きが熱い戦闘など、RPGの魅力がバランスよく丁寧に作り込まれています。そして何より、スタッフのRPGに対する愛が注ぎ込まれ、「自分が遊びたかったRPG」を叶えてくれた作品でした。

本作は発売後、SNSを中心に高く評価をされており、ツイッターの「#アラアラ」のタグではスクショや感想やイラストが飛び交い、小売では売り切れる店舗が続出しました。有名なスタッフが参加しているものの、けして開発・販売規模の大きくないゲームがSNSで盛り上がったのか、このタイトルを知らなかった方にとっては不思議かもしれません。

さらに付け加えれば、本作は近年の大作RPGのトレンドとは逆のスタンスを取っています。例えばボイスの類いは一切なく、クエストも非採用、ゲームボリュームも多いわけでなく、シナリオの大筋はびっくりするほどベタです。しかし、そういった本作から垣間見えるのは、スーパーファミコンからプレイステーションにかけての「RPG黄金期」にあって、今に至るまでに“失われたもの”を取り戻そうとする試みです。

アライアンス・アライブは一体どんなゲームなのか、じっくりと紹介したいと思います。今回はだいぶ長いですが、ぜひお付き合いくださいませ。


◆空が閉ざされた世界にて、種族も価値観も違う仲間達が集結する


アライアンス・アライブの世界は、魔族によって人間達が支配され、「黒き流れ」という海流により分断されています。魔族に仕える「妖魔」の圧政に苦しむ「雨の都スヴァルナ」では、人間達が彼らにて抵抗すべく秘密裏にレジスタンスを結成しています。

レジスタンスのリーダーに育てられた「ガリル」と「アーシュラ」は、最近見つかった「閉鎖美術館」と呼ばれる遺跡に、人間達が支配される前の“青い空”が描かれた絵があるという噂を聞きます。ふたりはこっそりとその遺跡へ忍び込みますが、それがきっかけで世界を解放する冒険の旅が始まります。

遺跡で見つけた“あるもの”によって、彼らの運命が大きく変わっていく。

「群像劇RPG」と名乗る本作では、明確な主人公はおらず、物語前半部では操作キャラクターがシーンごとに切り替わっていきます。物語の導入となる少年少女のガリルアーシュラ、レジスタンスの一員として彼らを支えるレンツォと妖魔のバルバローザ、魔族でありながら人間に興味を持つビビアンと彼女の執事であるイグナス、12歳の天才発明家のティギー、人間でありながら魔族に与するジーンと用心棒のレイチェル、この9人が主な操作キャラクターです。本作では操作キャラによってイベントや調べた物に対する反応が変わるので、自分の好きなキャラを自分の物語の主人公として遊ぶことが出来ます。

本作が群像劇を名乗っている理由はこれだけでありません。ゲーム中盤以降、世界各地でギルドに加わる人材をスカウト出来るようになり、拠点へ人が大量に乗り込んでくるようになります。ここの部分は幻想水滸伝シリーズの宿星集めにかなり近いです。彼らは「テレグラフ」という機能を使いメッセージを送ってくるので、今まで助けた人や関わった人と共に冒険しているような感覚を味わえます。世界中の人達と協力して、分断された世界を皆で繋いでいくのは、本作の大きな魅力のひとつだと思います。

ギルド員は変人の宝庫個性豊か。プレイ次第では150人以上仲間になる。

ギルドを建ててリンクさせると支援効果も強力になっていく。

また、背景となる世界観こそ暗いですが、キャラクター達が明るいのも本作の特徴です。キャラ同士の掛け合いはユーモアがあって可愛らしく、仕草や表情がコロコロ変わるので見てて飽きません。個人的には女性のRPGファンにもおすすめできます

キャラクターの掛け合いのテンポが良く、見ているだけで楽しい。


◆ゲームテンポの良さと、自由で密度の濃い「遊び」


アライアンス・アライブのプレイ時間は、シナリオをクリアするだけなら20~30時間、あちこち寄り道しながらやり込むなら30~50時間と、100時間を超えることが多い近年のRPGとしてはかなり割り切っています。なら遊べる要素が足りないかというと、むしろ長いイベントシーンや戦闘演出を徹底的に省くことで、RPGとしての面白さを短時間の中に凝縮させています。

本作ではフィールドマップの至る所に寄り道要素が散りばめられており、メインシナリオより強いユニークモンスターがいたり、寄る必要のないエリアにサブイベントが配置されています。シナリオ進行具合によって様々な乗り物が登場するので、それまで踏み込めなかったところまで探索範囲が広がっていきます。フィールド以外にも、以前行ったことのある街やダンジョンに新しいイベントが隠されていることがあり、プレイヤーの「もしかして?」に応えるような作りになっています。

本作の象徴とも言える「オーニソプター」。滑空と羽ばたきで探索範囲が広がる。

またサブイベントでは二者択一の選択肢が多く、選んだ選択によって後々の結果が変わってきます。細かな反応や報酬が変わるため、プレイヤーごとに少しずつ違う展開がなされます。3DSでは珍しいスクショ機能も相まって、自分がどんなプレイをしたかをSNSに投稿したくなる作りになっています。

選択肢はどれを選んでも何らかの反応がある。意外な結果が待つことも……

探索やサブイベント、ギルドの強化や後述の戦闘と育成も含め、本作はとにかくプレイヤーが自由に選んで遊べる要素が多いです。また、シンボル式エンカウント、戦闘スピードの2倍・4倍速への切り替えなど、ゲームを遊ぶペースを自由にコントロールすることが出来ます。様々な遊び方をプレイヤーに投げかけ、手探りで自分のプレイスタイルを組み立てることが出来る本作は、とても「ゲーム」らしいRPGであると思います。


◆プレイヤー自身がドラマを生み出す、駆け引きが熱いバトルと育成


アライアンス・アライブは前作「レジェンドオブレガシー」同様サガシリーズ系統のターン制バトルシステムを継承しています。サガのひらめきにあたる「覚醒」によって戦闘中に技を覚えるのはもちろん、装備武器の自由度の高さ、陣形による役割分担、戦闘後のステータス成長などおなじみのものが多いです。

どんどん技を習得していくが、サガのように戦闘回数での敵強化はないので、安心して育成できる

本作の戦闘難易度は、サガシリーズや高難易度と言われた前作レジェンドオブレガシーと比べると、メインシナリオを突破するだけならそこまで高くはありません。しかし水辺に生息する「水魔」など、脇道に逸れると凶悪な敵が生息しています。しかも定期的に強力な大技を使って来ることが多く、闇雲に挑んでも返り討ちにされるでしょう。

そんな状況を打開するのが「イグニッション」「ファイナルストライク」。ダメージを受けたり味方が戦闘不能になるとイグニッション状態になり、武器ごとに秘められた必殺技を叩き込むことが出来るようになります。ただしリスクもあり、一度使うと武器が破損し、その戦闘では再び使うことができなくなります。

このバランスが絶妙で、大技を食らってパーティ壊滅の危機に陥った時に発動するケースが多く、土壇場でファイナルストライクを当てれば勝てるか、それとも立て直した方が良いか、ギリギリのラインを見極める駆け引きが非常に熱い!!ピンチからの逆転劇をプレイヤー自身が作り出すことが出来、BGMやシナリオの盛り上がるシーンと合致した場合は最高にドラマチックな戦闘が繰り広げることが出来ます。

ファイナルストライクはまさに“最後の切り札”。ここぞという時に役立つ。

育成面では、戦闘することで溜まる「タレント」「資質」に振り分けることが出来ます。資質には武器ごとの新技覚醒率を上げたり、SPの消費量や敵から狙われる確率を減らしたりと、それぞれのキャラへ個性付けすることが出来ます。適正はある程度あるものの、お嬢様のビビアンをパワータイプにするなんてことも可能です。

総合的な戦術性も高く、陣形を組むことで敵の狙いをコントロールしたり、盾役に攻撃を引き受けてもらったりと、プレイヤーが自ら作戦を考えて実践する楽しさがあります。覚醒、ファイナルストライク、陣形、バフデバフ、装備の防御属性、ギルド支援など、ありとあらゆる戦術が用意されているので、遊ぶ人の想像力によってまったく違う戦い方が生まれると思います(ちなみにゴリ押しでも全然行けます)

陣形は戦闘中に切り替えることが出来る。状況によって使い分けよう。


◆“あの頃”のRPGファンにこそ、このゲームをオススメしたい一作


間口が広いので、年齢問わず多くの人にオススメできる本作ですが、RPGのトレンドとは逆のスタンスを取っているゆえに、誰しも合う作品でないと思います。特に、RPGにおいてコンプリートを一番の目標にしていたり、完璧なプレイを求めるプレイヤーには、本作は合わないと思います。電撃のインタビュー記事で松浦Pが語っている通り、強力な装備を手に入る代わりにギルド員が仲間にならなくなるなど、サブイベントでは何かを得る代わりに何かを失うケースが数多くあります。取り返しがつかず、結果が出るまで時間がかかるため、最良の結果を得ればなくてはいけないプレイヤーにとっては遊びづらいかもしれません。かといって最初から攻略情報を見ながら遊んでしまえば、探索要素の強い本作の魅力が大きく落ちると思います。気楽に自分の好きな選択を出来る方のほうが、アライアンス・アライブをより楽しめるでしょう(ちなみに例え強力なアイテムやギルド員を取り逃したとしても、育成と戦術で大半なんとかなります)※追記:NEWGAME+で2週目をすれば、コンプリートは可能です。

また、合わないとは言わずとも、「PS2以降のRPG」の方が好きなプレイヤーはあまり満足出来ないかもしれません。ハード性能が上がったPS2以降の日本のRPGは、「シナリオの強化」、「解像度の高いグラフィック」、「プレイ時間の増加」、上記の「コンプリート性」を高めてきました。シナリオ・グラフィック・ボリューム・やり込みと言う人気要素に特化したRPGに比べると、アライアンス・アライブは平均点の高い優等生ではあるものの、突き抜けたRPGではないかもしれません

それでも自分が本作を強く推す理由は、「あの頃のRPGの楽しさって、こういうことだったよね」という部分が惜しみなく詰め込まれているからです。

例えば『FFX』が発売された頃、グラフィックやシナリオに満足したけれど、飛行艇による空の旅がなくなって残念だった人は少なからずいたでしょう。他にも、次にどうなるかわからない行き当たりばったりの選択肢本編とはまったく関係のない寄り道、どんどん進んでいくテンポの良いシナリオと戦闘ゆるく砕けた台詞回しデフォルメで可愛らしいキャラクター造形、こういった要素は時が経つにつれどんどん削られていきました。ですが、記憶に残らないような小さな魅力の積み重ねこそ、RPGが広く愛された理由のひとつだと思うのです。

本作はこういった要素を再び取り上げただけでなく、ちゃんと現代向けに最適化した上で形にしています。例えば3D化されたグラフィック、ワンボタンによる戦闘高速化、バフ・デバフなど現代的な戦術性、資質などの自由なカスタマイズ性、デスペナルティの低さ、クイックセーブなどなど。それらを踏まえると、アライアンス・アライブは現代の技術で再現されたSFC・PSライクのRPGと言えると思います。

大作傾向にある近年のRPGの中でも、物語遊び心地が軽やかなのが本作の強み

パッケージ版だと、今では珍しい「紙の説明書」が付いてくる!


◆物語は幕を閉じ、いつの日かの再会を願う


ということで、このゲームのおかげで最高に楽しい時間を過ごせました。楽しすぎて、物語の終わりが見えた時は結構ショックでしたね。終盤はわりとあっさりめですが、それを差し引いても満足度は高かったですし、終わりを惜しめる作品は良い作品だと思います。

あらためて考えると本作のスタッフは、今まで「王道」とは別の道を歩いていた人達ばかりなんですね。サガ、幻想水滸伝、メタルマックスヘラクレスの栄光(開発のキャトルコールの前身はデータイースト)など、鋭い作風ばかり。じゃあそういった人達があらためて万人向けの王道作品に挑んだ時何かできるのかを、本作は示してくれました。

確かに今時のRPGではないかもしれないけれど、謎の散りばめられた世界観と前向きで明るいキャラクター達、どこか懐かしくも穏やかで心地よい空気感、ドラマを自分で生み出すバトル、そこにあるのはRPGに対する愛が注ぎ込まれた快作でした。

グラフィックも3DSの解像度ながら色彩豊かに表現されている。

最後の言及になりましたが、浜渦正志氏のBGMが本当に素晴らしく、世界ごとの雰囲気作りや激戦での盛り上がりなど、この世界に何時間でも居たくさせてくれました。特に「飛翔」という楽曲は、“もし浜渦氏がワールドマップでの飛行BGMを作ったら”という問いに答えてくれた、最高の楽曲でした。これが流れた後、直前の激闘も相まってか、泣ける場面ではないはずなのにボロボロに泣いてしまいましたw BGMはもちろん、足音や雨音などあらゆる「音」の使い方が丁寧なので、イヤホンなどでのプレイをオススメします(3DSのスピーカーだと拾ってくれない音もあります)。

以上です。ここまで自分と波長の合ったRPGは本当に久しぶりでしたし、楽しい時間がずっと続いて欲しかった作品でした。興味を持った方は、まず体験版があるのでそちらから触るのが良いと思います(ちなみに体験版の文字の見にくさは、製品版では修正されています)。

またいつか次回作が発売することを願いつつ、その日が来るまで気長に待ちたいと思います。素晴らしいRPGをありがとうございました。ではでは。


公式サイト:http://alliance-alive.jp/

2017年7月8日土曜日

レジェンドオブレガシー:隠されたゲームルールに手探りで挑む、高難易度な探索RPG

どうも、ノンジャンル人生です。先日、フリューが発売したRPG『アライアンス・アライブ』をクリアしました…。めちゃくちゃ面白くて、最高でした…。

寝る間も惜しんで遊んだのは本当に久しぶりです。これは紹介しないと!と意気込んでいますが、まだまだ遊び足りていません。文章がまとまるまで、もうしばらくお待ち下さい。

ということで、今回は前作にあたる『レジェンドオブレガシー』を紹介したいと思います。ちょうどアライアンス・アライブを購入直前までプレイしていたんですが、以前とはまた違った見方が出来たので書いていこうと思います。

とりあえず先に誤解のないように説明しておくと、アライアンス・アライブとレジェンドオブレガシーはゲーム内容も難易度も全く違うので、購入する際は間違えないようお気をつけください。特にぬるくRPGを遊びたいゲーマーがレジェレガを触ると火傷します。そのくらい難易度が高い作品だと思ってください。(SFC~PS期の頃の難易度を求める人には、それこそアライアンス・アライブが断然オススメです)

主人公のひとり、フィルミア。台詞回しが格好良い。カエルなのに…。

◆冒険者を皆殺しにする島「アヴァロン」へようこそ

レジェンドオブレガシーは、かのサガシリーズのバトルデザイナー「小泉今日治」氏、イラストレーターの「小林智美」氏、作曲家の「浜渦正志」氏など、スクウェア作品に関わったクリエーターをフリューが招集して発売したRPGです。なのでロマサガライクなゲームだと思われがちですが、どちらかと言えば「世界樹の迷宮」のように物語よりもダンジョン探索に重きをおいたゲームです。七人の主人公からひとりを選び、「アヴァロン」と呼ばれる島を探索していきます。

アヴァロンの風景は、水彩画のように美しく表現されている。

本作は街「イニティウム」を拠点としてダンジョンに挑み、地図を買ったり、最奥へ辿りついたり、ボスを倒すことで次のダンジョンに挑めるようになっています。地図はダンジョンを巡ることで埋まる仕組みになっており、その地図を売ることで資金を得ることが出来ます。

戦闘はサガシリーズ(特にミンサガ以降)のゲームルールを引き継いでいます。ターン制バトル、陣形にあたるポジション、戦闘中に一定確率で覚える技、戦闘後に伸びる各ステータス、シリーズファンではおなじみのものです。それに加え、後述する「双次元バトル」と呼ばれるシステムが加わっています。

ダンジョンに生息するモンスター達はかなり手強く、しかもこちらのパーティ人数(3人)の倍近い数で襲い掛かってきます。特に相手の方が早い場合、初手大技を食らってパーティが壊滅するのはざらです。ボスの話ではありません、ザコ敵の話です。ボス戦だろうと雑魚戦だろうと、一戦に相当なターン数がかかり、常に全力投球して100%勝てるとは保証できないのがレジェンドオブレガシーの特徴です。

一切の躊躇のない多さ。もちろん雑魚戦。

しかもただでさえ強いモンスターを倒すためのハードルの高さを、「双次元バトル」に隠されたルールが更に高くしています。

◆意図的に隠されたゲームルールに気付けるかどうか

双次元バトルでは「詠う岩のかけら」を使うことで、精霊を呼び出し術を使用することが可能になります。1ターン掛かるかわりに、HPやSPの回復などのバフを受けることも出来ます。一方敵も精霊を呼び出すことがあり、こちらで呼び出した精霊が奪われてしまうことも。相手と精霊の奪い合い、自分達に有利な状況に運ぶことが戦闘で勝ち続けるための秘訣です。

双次元バトルにはもうひとつ重要な要素があります。それは戦闘の場がどの精霊の影響を受けているかを表示する「精霊秤」の存在です。精霊を呼び出したり術を使ったりすると4精霊の支配率が変わります。しかし支配率が変わったことでどんな影響があるのかはゲーム中一切説明されません。精霊の呼び出しと同じくらい重要な要素であるにも関わらずにです。ここにこそ、本作の難易度の引き上げを促している、「隠されたゲームルール」が端的に表れています。

本作ではゲームルールのすべてを説明することはありません。序盤の導入にいくつか基本的なことが示されるだけで、あとはほぼ手探りでアヴァロンを探索することになります。「星杯」へ辿り着くためにプレイヤーは何処へ向かえばいいのかも、強敵への対処方法も、各ステータスが何を示すのかも教えてくれません。例えば非常に多い敵の数を減らす方法がありますが、これも直接的な説明をしてくれません。チュートリアルでイチからすべてを教えてくれることの多い近年のゲームとは、まったく逆のアプローチをとっています。

アヴァロンの謎も、多くは語られない。断片的な情報で提示される。

シナリオ主導のゲームよりもクラシックでゲームらしいゲームと言えますが、ルールに気づかなかれば、その分プレイヤーはどんどん不利になる仕様でもあります。気づけるか否かはプレイヤーの知識や勘によってかなり差が出るはずで、RPG慣れしていないと気付きにくい部分、またはRPGの「常識」にとらわれているほど気付きにくい部分もあります。自分は初回プレイでいくつかのルールに気づかないまま進めていたため、非常に苦戦した記憶があります。

◆敵にボコボコにされたときの理不尽さと、立ち回れたときの気持ちよさ

そういったゲームバランス故に、従来のRPGのつもりでプレイして敵にボコボコにされたプレイヤーは多いと思います。戦闘に入ったら何も手を出せないまま敗北し、その理不尽さに絶望したことでしょう。成長システムの関係上、レベルを上げてゴリ押し突破することも厳しいです(ロマサガのように戦闘回数で敵が強くなることはないが、格下だとほぼ無成長で戦闘が終了する)。救済処置は、交易船によってランダムに手に入る強武器・強防具くらいでしょうか。

隠されたルールと高い難易度。こう語ると厳しさばかりのようですが、それに上手く立ち回ることが出来たときの気持ち良さこそが、本作の醍醐味と言えます。

例えばガードポジションのキャラクターが盾や武器の防御技を使うと、敵の凶悪な攻撃を高い確率でダメージ軽減や回避しまくります。しかも効果は味方全体。圧倒的な猛攻を捌く爽快感は、他のゲームにないものがあります。

盾ゲーと言えるほど盾が強い。防御、回避、反撃、直接攻撃もできる。

また、法則さえ理解すれば、敵に与えるダメージも敵から受けるダメージも思いのままにコントロールできます。敵と精霊の奪い合いで状況は常に変わり続けるので、特に後半戦では毎戦一進一退の攻防が繰り広げられます。技、装備、ポジション、双次元バトル、ありとあらゆるものを使いこなして、勝利をもぎ取るRPGは、そうそうありません。同じパターンに陥ることの少なさも魅力です。

ただし、先程のルールの気付きにくさによって、立ち回れるようになること自体の難易度が高いです。自分の場合、一周目は攻略サイトを頼ったのにも関わらず、ボロボロになりながらのクリアでした。最近久しぶりにプレイし、いろいろな情報を得て、はじめてルールを把握できたくらいです。周回プレイヤー自体けして多くないでしょうし、最後までシステムを活用できないままやめてしまった人も少なくないでしょう。

◆極端すぎる内容ではあるが、探索のロマンを感じさせるゲーム

個人的に本作で気になるのは、報酬の物足りなさでしょうか。多くのターン数をかけて戦ったのに、何の成長もドロップアイテムもなく、僅かなお金だけを手に入れて戦闘が終了することが何度もありました。また、ダンジョンを探索するのが大変なわりに、たまに出現する宝箱から手に入るものが換金アイテムばかりで、とても地味です。一応、強敵での圧倒的な成長、レアドロップ、換金アイテムを元手に交易船で手に入る装備を考えると、長期的な報酬バランスは取れているかもしれません。それでも厳しい戦闘やダンジョンを突破したのに徒労になることがあるのは、本作の残念なところです。(ちなみに開発も気にしていたのか、アライアンス・アライブではタレントと資質というかたちで解決しています) あとは術とポジション習得まで手間がかかることですかね。

無成長な時がある一方、いわゆる「道場」敵相手には極端な成長を遂げる

本作をオススメしたいプレイヤーは、ゲームを手探りで攻略したい方です。ゲームの方からあれこれ指示されるのではなく、どこへ向かえばいいか、どうすれば強くなれるのか、どうすれば敵に勝てるのかを、システムレベルで推測しようとするプレイヤーなら、手応えのある体験が出来ると思います。

また、本来なら逆かもしれませんが、アライアンス・アライブの戦闘の高難易度版を遊んでみたい方にもオススメです。より少ないパーティ人数の制限下の中で、いかに場をコントロールして敵を撃破する感覚は、アライアンスアライブ以上のギリギリ感を味わえると思います。ただし前途の通りシナリオ要素が少ないので、キャラクター同士の掛け合いやドラマチックな展開は、後作よりもだいぶ控えめだと思ってください。

以上がレジェンドオブレガシーの内容です。これまではプレイヤーを突き放しすぎて色々もったいないゲームだと思っていましたが、再び遊んで、戦術性の高さと気持ち良さを知ることが出来て良かったです。

そういえばはじめてレガシーのオープニングを見た時、テキスト回しやビジュアルと言った雰囲気作りがかなり良くて惹かれたのを思い出しました。続編を作って欲しいとずっと思っていたので、その願いが叶って本当に良かったです。しかも『アライアンス・アライブ』という大傑作の形で。

レジェンドオブレガシーは、けして世間的評価の高いゲームではありません。しかしこの作品では、未知なる島を手探りで探索するロマンを感じることが出来ます。雰囲気作りも、ゲームデザインも、厳しい難易度も、アヴァロンという島に血肉を与えるものです。腕に覚えがあるプレイヤーは、ぜひ頑張って挑戦してみてください。ではでは。

険しい旅路の終わりには、見果てぬロマンが待っている。

2017年5月21日日曜日

『MOTHER2』:RPGでしか出来ない、特別な冒険の先に

どうも、ノンジャンル人生です。
ずーーーーっと積みゲーをしていたRPG『MOTHER2』を先日遂にクリアしました。購入から丸一年、なかなか手がつけられない状況に悶々としていましたが、長く険しい旅路を終えて振り返ると名残惜しさすら感じます。


ということで今回は歴史的傑作RPG『MOTHER2』のことを書いていこうと思います。少し長めですが、お付き合いくださいませ。

◆4人の少年少女たちとそれを取り巻く不思議な世界

MOTHER2は少年ネスと3人の少年少女たちが、侵略者ギーグと戦うために世界中を巡る冒険を描いたRPGです。舞台は90年代をモチーフにした架空の地球。電話線が引かれ、自動車が走り、テレビが映る、剣と魔法のファンタジーとは真逆の世界観です。彼らが戦う時に使う力はPSIと呼ばれる超能力。ギーグの魔の手が伸びて凶暴化した動物や住人と戦っていきます。



このMOTHER2ではコピーライターでおなじみ糸井重里氏がプロデュース&ディレクションを務めており、見た目もテキストもとにかくユニーク。RPGであるものの住民たちは魔王に怯えるような弱々しい人々などおらず、世界の危機など気づかずに自由奔放に暮らしています。


憎たらしさ満載の悪ガキ「ポーキー」から始まり、ネスの手柄をいつのまにやら自分のものにしている市長「ピカール」、ついカッとなってこども相手にサブミッションをかける警察の「ストロング所長」、毎回騙されて莫大な借金を負っているブルースバンド「トンズラブラザーズ」、汚いゲップ音とともにネスたちに襲いかかるボス「ゲップー」、正体不明で不思議な喋り方をする生き物「どせいさん」など、皆どこか抜けていますが強烈な個性を発揮しています。



名前のある人物だけではありません。モブひとりひとりですら、記憶に残る台詞を残していきます。リゾート地の海岸でてのひらまでしっかりと焼く人、酔ってないと豪語しつつも千鳥足のよっぱらい、自分の経営する店でサクラをしている女性、開発者からのメッセージを受信するイタコドッグ……。生きるものたち全てが従来の「RPG」の枠に縛られていない世界、それがMOTHER2なのです。


◆RPGでなければ出来ない数々の表現

MOTHERシリーズは糸井氏がドラクエに感銘を受けて作ったのだそうです。実際MOTHER2をプレイしてみると、メニューコマンドや戦闘形式などの多くがドラクエのゲームデザインを元に作られています。しかし、それをそのまま焼き増しにしないのがMOTHER流。戦闘で大ダメージを受けてもHPが減るまでに数秒のタイムラグ中に回復が出来る「ドラムロール」があったり、格下の敵シンボルには一撃必殺が発動したり、セーブはネスのパパに電話をかけて行い、持ち物の預かりは同じく電話で運送業者を呼び、戦闘不能や状態異常にかかれば病院で診てもらうなど、とにかく同じことはしないぞと言う意気込みを感じます。


極めつけは状態異常「ホームシック」。ネスが戦闘中突然ハンバーグが食べたくなったり、家に帰りたくなったりして戦闘を放棄します。それを治す手段はネスのママに電話して慰めてもらうというもの。多分こういった発想はMOTHERシリーズでなかったら出来ないでしょう。

MOTHER2はRPGの常識を破りつつも、RPGの文脈を非常に大切にしたゲームです。敵を倒しながら強くなって最後の敵と戦うまでの物語を独自に解釈し、キャラクターからシステムまで意味合いがなされるよう丁寧に肉付けされています。RPGの本質をしっかりと捉え、ファンタジーでなくとも王道を貫き通しています。

◆その旅路はけして楽なものではない

一見可愛らしい見た目で子どもに向けたゲームのようなMOTHER2ですが、ただボタンを押しながら何も考えずに進めるような甘いゲームではありません。行く先々に難所が立ちはだかり、ネスの冒険を止めようとしてきます。これは演出だけでなく、本当に越えるのが困難なのです。


例えば序盤の難所「グレートフルデッドの谷」では、入り口に十字キーでの操作を混乱させる状態異常にしてくる「歩くキノコ」がおり、「歩く芽」は仲間を呼びながら少ないPPを奪ってきます。他にも敗北間際に自爆する「だいウッドー」、ねびえビームで風邪にしてくる「ひとくちユーホー」と「クルーン」など、強さ以上にプレイヤーを苦しめてくる敵がわんさかいます。またここまでネスひとりの旅であり、持てるアイテム数が徐々に圧迫され、アイテム枠のやりくりをしなくてはいけません。快適性を重視した現在のRPGではなかなか見ないような厳しいダンジョンがそこにはあります。

他にも突然パーティメンバーが抜けるシーンがあって戦力が一気に落ちたり、もし間違ってテレポートを使ってしまうと戻ってくるまで大変な道のりを越えなくてはいけないシーンがあったりと、予想外の困難が数多く待ち受けています。


ではこの難易度はレトロゲームの無茶なバランスか?と問われれば、それは違うと答えたいです。この谷も含め、どんなに厳しいダンジョンも挑み続けてしっかりレベルを上げれば、必ず突破できるように設計されています。

このゲームでは「強くなること」に対し非常に重要な意味を持っています。ギーグがどれほど強大な存在であるかは、最後まで進めた方なら分かるでしょう。そんな相手に少年少女たちが挑んで世界を救うだけの説得力を、旅路を通して成長したステータスが裏付けているのです。そしてプレイヤーが乗り越えた困難に見合うだけの最高のエンディングを、このゲームは用意しています。

自分はというと、下手にRPG慣れしすぎたことで、レベルを上げる価値をしばらく見落としていました。ダンジョンを無理に突破しようとしたせいで、余計に厳しい状況になったりもしました。何度も挫折しそうになりましたが、終盤辿り着いたグミ族の村でのメッセージでハッと気付かされました。この困難はプレイヤーに意図して設けた試練であり、ここまで強くなったことがどれほど大きなことであるかを。立ち向かったことはけして無駄ではなく、その積み重ねこそ大きな物語を作り上げていることを学びました。

最近では積みゲー崩しに躍起になっていたこともあり、RPGで最も大切なことを忘れていたのかもしれません。RPGはプレイヤー自身が強くなる物語であり、困難の先のゴールを目指すものでもあります。ユーザビリティやゲームデザインだけでは計れない部分に、RPGの本質が詰まっています。

MOTHER2に込められた思いは、実際にプレイしなくては分からないと思います。ラストバトルは大きな衝撃を受けましたし、エンディングでは自然と涙が流れました。それは、MOTHER2というゲームに自分の手で挑んだからこそのものだと思います。

MOTHER2はRPGを作る人にはぜひ遊んで欲しい一作です。何者にも縛られない想像力と、5年の開発期間に渡ってRPGに真剣に向き合った思いが、このゲームはあるからです。


最高のRPGをありがとうございました。では。

2017年5月11日木曜日

薬草伝説制作あとがき・反省会

どうも、ノンジャンル人生です。やったー、冬が終わったー!!(今更)
無事にVer1.03を申請したので、今回は制作した新作RPG『薬草伝説 LEGEND OF HERB』のあとがき・反省会でも載せたいと思います。ネタバレな内容なのでご注意ください。

2017年5月1日月曜日

新作RPG『薬草伝説 LEGEND OF HERB』を配信しました!!

2017.4.29より、ゲーム配信サイトふりーむ!にて、裏山薬草ゲームフェス投稿作品『薬草伝説 LEGEND OF HERB』を配信しました!



『裏山に薬草生える』

その衝撃的な噂は、瞬く間に大陸全土を駆け抜けた。

神殿騎士団、魔術師教会、暗殺ギルド…
多くの猛者たちが裏山に挑むが、未だ帰って来るものはいない。

魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する裏山にて
あなたは無事薬草を採ってくることが出来るだろうか…。

壮大なスケール(1時間)で描く、薬草大河ファンタジーRPG堂々開幕!!

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■ゲーム情報
【タイトル】 薬草伝説 LEGEND OF HERB
【ジャンル】 ダンジョン探索型RPG
【プレイ時間】 1~2時間
【動作環境】 Windows OS ※「RPGツクールXP RTP」が必要
【開発環境】 RPGツクールXP


序幕版などを除けば、実に2年ぶりの新作です。企画用ゲームですが、ゲームシステムは「THE GOLDEN FRONTERS」を元にしているので、RPGとして十分遊べるものに仕上がっているようです。戦闘難易度はやや高め、探索要素多め、逃走や敗北のペナルティがほぼ無し。裏山と薬草を巡る、熾烈な冒険譚をご堪能ください。

DL:ふりーむ! http://www.freem.ne.jp/win/game/14711

諸々の話に関しては次回を予定しています。ではでは~。


2017年4月16日日曜日

『けものフレンズ』という物語を追って

どうも、ノンジャンル人生です。今回はゲームのことは置いておいて、今冬に大ブレイクしたアニメ『けものフレンズ』について書いていこうと思います。あまりアニメの知識はないですが、やはり書いておかねばと思い、キーボードを叩いています。ここまで人気に至るまでの状況を忘備録もかねて整理していこうと思いますので、少し長めですがお付き合いくださいませ。


ニコニコ動画:第一話「さばんなちほー」より

まず前提として、けものフレンズとはなんぞやというところから。このアニメはオリジナルアニメとはちょっと違い、「スマホゲーム」「アニメ」「コミック」などのメディアミックス作品『けものフレンズプロジェクト』の一部として展開されたものです。「女の子の姿になった動物たちが繰り広げる大冒険!」というキャッチコピーの通り、動物をモチーフにした女の子のキャラクターたち=フレンズにスポットを当てています。

多分これだけ聞くと、『艦これ』後に出現したフォロワー作品に思えます。何かを美少女に擬人化させるメディアプロジェクトは、ここ数年の間に大量に出現しては次々と消えていきました。そしてけものフレンズのゲーム版も例外に漏れることなく、ゲーム版がアニメ開始直前にサービスを終了しています。大量に埋もれた作品群のひとつ、それがけものフレンズのスタート地点だったのです。

そんなこんなで始まったけものフレンズですが、やはり最初はほとんど話題になりませんでした。アニメ『けものフレンズ』は少人数体制で制作された3DCGアニメであり、書き込み技術が高いレベルにある同時期のアニメと比べると見劣りする部分が目立ちます。そして第一話は主人公の「サーバル」と「かばん」が出会い、冒険して立ちはだかる敵を倒すという、徹底したテンプレ展開で進行します。会話劇はまるでNHKの子供向け教育アニメのような内容であり、サーバルとの出会いのシーンでは視聴者を置き去りにします。ニコニコ動画で配信された生放送後のアンケートでも、5段階評価の「1:とても良かった」が41%と低めでした。

一見スタートダッシュで躓いた本作でしたが、2話以降になると状況が少しずつ変わってきます。戦闘描写はしばらく控えめとなり、サーバルが子供のようにはしゃいだり褒めたりする様子が「IQを溶かすアニメ」として話題になり始めます。一方明るく憂いのない本編とは裏腹に、エンディングで廃墟の遊園地が映し出されたことで、この物語は「ポストアポカリプス(※)作品なのではないかとSNSで拡散され始めます。

※文明が滅んだ後の世界を描いたジャンル。

その後回が進むに連れ評価が大きく伸び、4話の段階でアンケート評価1が95%を突破します。Twitterではけものフレンズの世界観を考察するタグ(#けものフレンズ考察班)がどんどん拡散され、「このアニメが適当に作られたものじゃないぞ」の噂が広まります。同時に「すごーい」「たのしー」など、あたまをすっからかんにして見られるアニメとして認識され、急速にミーム化され始めました。

けものフレンズは見る人によってまったく違った側面が目に映る作品です。考察要素やIQが溶けるのがすべてではありません。少女達の物語にほっこりする癒やし系作品としての側面、各地方を巡り出会いと別れを繰り返すロードムービーとしての側面、動物達の特徴や習性を学べるドキュメンタリーとしての側面、あるいはネタが乗りやすいアホアニメとしてとしての側面も挙げられます。


すしざんまい」のポーズ

特にニコニコ動画ではコメントでシーンにツッコミを入れる文化が盛んなため、ツッコミ不在の本作とは抜群に相性が良いようです。時事ネタを取り込んでみたり、コメント職人と呼ばれる人々が手の込んだコメントアートを作ったりと、1話を見るたびに違った楽しさを提供してくれます。(まぁしかし、一時期ネタであっちもこっちも伏線だとコメントされていましたが、まさか本当に1話に綿密な伏線が用意されているとは、書き込んだ人達は夢にも思わなかったでしょうね…)

もうひとつ重要な点として、二次創作がしやすいのもけものフレンズの特徴のひとつです。本作の物語は、

①サーバルとかばんとラッキービーストが新しい地方に辿り着く
②その地方に住むフレンズと出会う
③フレンズ達が抱える問題をかばんのアイデアで解決する
④次の地方へ向かう

というシンプルな構造です。内容も、物語を進行しフレンズの特徴を伝えるために必要なものに絞っており、心情などを細かく描写することはありません。世界観に至ってはほとんど説明せず、背景として描かれるものと、会話の中にぽろっと出てくる単語から推測するしかありません。しかし脚本そのものは筋が通っており、毎回ゲストとして出て来るフレンズ達と仲良くなる様子を丁寧に描いているため、結果キャラクターの個性を際立たせつつも、世界観や関係性などを二次創作で埋めるだけの余白を用意するのに成功しています。

例えば最終回に近づく頃になると、サーバルとかばんの別れが迫っていると感づいた創作者達が、彼女達の心境を想像して描いた漫画やイラストを書くようになりました。取り残されたサーバルがかばんを思う漫画や、さばんなちほーでサーバルがひとりかばんの帰りを待つイラストなどが、彼らの手によって生まれました。

しかし実際のアニメで別れを直接示唆する描写は、最終回以外だと10話でのかばんの台詞(=海の外に仲間を探しに行きたい)のみです。一方エンディング曲の二番には別れをほのめかす歌詞があり、そういった限られた情報の中で考察班や創作者達は想像を膨らませていったのです。
けものフレンズ「二次創作に関するガイドライン」

こういった二次創作を受け止める懐の広さを持った本作ですが、例え二次創作が大きく膨れ上がっても本編がまったくブレることなく完結出来たのは、けものフレンズ自体の脚本の完成度が高かったからだと思います。最終回に辿り着く頃には、それまでの物語に伏線が張り巡らされていたことが分かりますし、最終回自体が考察の回答編としての役割を果たしていました。そして広がっていった考察が、けして的外れではなかったことも判明しました。

幾つかの要因が重なって大ヒットしたけものフレンズは、脚本・世界観の構造やネットの巻き込み方など学ぶべきところが非常に多く、視聴したことで得たものは大きかったです。私は途中から視聴し始めた組ですが、すぐにドツボにハマってしまいました。どちらかと言えばアニメ追うのが苦手な自分でも、毎週見るのが楽しみでした。

けものフレンズのアニメは最終回を迎えましたが、新作映像など今後も展開されていくそうなので、今からどんなものが見られるか楽しみです。この作品と出会えて、とても良い時間を過ごせたと思います。

ではでは。

2017年3月24日金曜日

ファミコン版FF3から見る、レトロRPGの評価

どうも、ノンジャンル人生です。現在「けものフレンズ」にめっちゃハマっています。アニメ追うの結構苦手なんですけど、抵抗なく見れてとても良いです。ロードムービーものっていいよね…。

さて今回は先日プレイしたファミコン版『FINAL FANTASYⅢ』についての話。自分が今まで遊んだRPGは古くてもSFCのものだったので、そういった意味では今までで最も過去のRPGに触ったことになります(ちなみにVCです)。

名作と名高いFINAL FANTASYⅢですが、実際に遊んでみると今と昔の評価の違いと言うものを感じました。なので、そういった面も含めて紐解いていこうと思います。

①名作として語り継がれるもの、そうでないもの
FF3といえば「名フィールド曲・悠久の風」「ジョブチェンジ」「ナーシャ・ジベリの飛空艇プログラム」「長過ぎるラストダンジョン」などが有名でしょう。実際にプレイしてみると確かにそういったところは特に印象的でした。しかし、それがすべてではないのがFF3です。

例えば黒魔道士。FFおなじみの職業ですが、歩行のドット絵が可愛らしく序盤は戦闘キャラとして愛用していました。しかし中盤前衛キャラの連続ヒットが伸びたことで、火力と速度不足に悩みお役目御免。泣く泣く外しましたが、終盤魔人が加入した時の黒魔法が想像以上に優秀で驚きました。

ハインの城といえばハインのバリアチェンジが有名ですが、それより印象的だったのは道中の混乱連発。会う敵会う敵混乱を使う上、前衛ヒット数の増加と相まって、恐ろしい目に会いました。

FF3を実際にプレイすると、こういったあまり知られていないエピソードが山のようにあります。しかしゲームは時間が経つに連れ、情報が削ぎ落とされた状態で評価されていくのだと実感しました。そういった意味を踏まえると、世間が名作や駄作として扱う作品でも、自分でプレイすることで新たなる発見があるのかもしれません。

②ユーザビリティは後発作品の方が進歩している
時の経過とともにゲームは良い悪いのカテゴリ分けされていきますが、例え世間的評価の低い作品でも、古い作品に勝っている部分があることは多いです。そのひとつがユーザビリティ(プレイの快適性)です。例えば装備の付け外しに関しては、FF3と後発のFFを比べたら天地ほどの快適性の差があります。しかしFF3もそれ以前の作品の悪い点を改良してこの状態になっているのです。

古いゲームは、その時期のゲームの快適性によって評価が変動します。その時の基準、今の基準はまったく違うものです。なので「名作らしいから完璧なゲームのはずだ!」と思い込んでしまうと、がっかりすることもあるかもしれません。時代も含めて名作なのです。

③レトロだから良いのではなく、ミニマムデザインだから良いのかもしれない
「FC音源は今にはない味がある」「昔のゲームにはシナリオに想像の余地があった」というような話は、世間ではよくされていると思います。しかしこれに関しては、それだけで話を終わらしてはいけないのではと個人的に思いました。

FF3は表現の制限下で制作されています。PS4で発売されたFF15のように、オープンワールドでもAIを搭載しているわけでもありません。

しかし最小限の表現は、重要な部分をはっきり見せられるという強みがあります。3音の「悠久の風」はメロディラインが印象的ですし、グラフィックの色数が少なくても造形や色合いにこだわりが見えます。シナリオは確かに展開が早急かもしれませんが、序破急をしっかりと守っています。

こうった最小限の要素で構成されたことで、ゲームコンセプトをプレイヤーにダイレクトに使えられたことこそが、レトロゲームの真の強みではないかと思います。言うなればミニマムデザイン。古いから良いのではなく、構成する枠の小ささが、ゲームの良さを引き立たせた要因なのではないでしょうか。


と、こんな感じです。洗練されてないゆえに辛い部分もありましたが、FF3はとても良いゲームです。ゲームを作る身として、プレイを通していろいろ勉強になりました。ではでは。

2017年3月9日木曜日

『芥花』記事のあとがき&おこなという少女の物語についての考察。

どうも、ノンジャンル人生です。先日もぐらゲームス様にて、『芥花』の記事を寄稿しました。とは言っても先月ですけどね…。ちょっと今年の冬はまったくダメなカンジがするので、春まで力を蓄えたいところです。


というわけでいつも通りあとがき。
『芥花』は「フリゲ2016」で高い評価を受けていたのは知っていましたが、触ったのは1月に入ってから。拷問というテーマなのでキツめの内容かと思いきや、繊細かつミステリアスな展開が待ち受けており、一気にのめり込んでしまいました。

デスゲームを題材にしたホラー『徒花の館』が近い時期に配信していたので注目度がやや分散されていた感はありましたが、ゲームとしてはまったくの別物です。ADVチックであれど『芥花』はやはりRPGとしての魅力が詰まった作品だと思いました。(徒花の館の記事はこちらをどうぞ)



記事に書いた通り物語や戦闘が素晴らしい本作ですが、それだけでなくユーザビリティの高さもポイントだと思います。物語・探索・戦闘という楽しみを削がないために、余計なものは徹底的に省いているのが見事。例えばRPGのお約束であるレベルがないのにも関わらず、本作にとってまったくマイナスになっていません。プレイヤーが最終決戦に勝てるよう、戦い方を学習させるための最小数の戦闘を過不足なく用意しています。一方必須ではない雑魚戦は、それでも戦闘が苦手な人のためのアイテム稼ぎ用として完全に割り切られており、上手い人から苦手な人まで遊ばせるようバランスが取られています。

必要な戦闘のみで構成されているため、物語のスピード感を削ぐことなく、プレイヤーを没頭させることに成功しています。緩急のある展開と散りばめられた謎のおかげで、中だるみすることなく進められました。戦闘自体も戦う悪魔の個性を活かした戦法を取ってくるので、物語と戦闘の融合具合もバツグンですね。

一方戦闘のないビョウドウ編は、じっくり考えることが出来る進行で、ミステリーの魅力を存分に発揮していました。このトリックは面白いなーと思いました。芥花という作品ならではの回答だと思います。

今回記事にできて本当に良かったです。ゲーム制作の勉強にもなりましたし、卓越した物語構成にドキドキしながらプレイしました。なにより皆カワイイ!!喋らない系主人公の芥花ちゃんも、意外に表情が豊かでキュートです。あと、イングリド様が楽しそうで何よりです。





以下ネタバレ(ガチでネタバレ語るので全編未クリアの方は見ないでね)

2017年2月18日土曜日

現在製作中のRPG途中経過⑦ 戦闘バランスの調整のために

どうも、ノンジャンル人生です。現在不調です。つらい。

今回は『THE GOLDEN FRONTIERS』本編の戦闘バランスについてのお話。長く作っていると、追加した要素、見直す要素がたくさん出てきます。特にそれなりのボリュームだと、初期に想定したことがマイナスに働いて足かせになることもあります。本作でもそういった側面が出てきました。

最初の設定では厳密でギリギリ燃えるような調整にしていましたが、イスタール編、エルダーユ編が出来上がっていくうちに、「もう少し楽で遊びのある戦闘でも良いんじゃないか?」と思い始めました。いくつかRPGをクリアして、ゆるくても全然いいなと感じたのも、考えを変えるきっかけになりました。

ということで、本作の戦闘の「青いTARGET」を無くすことにしました。
↓これです

序幕ではHP半分になったとき敵に狙われる確率が大きく上がり、防御や回復、挑発を使いこなさなければザコ敵でも苦戦するバランスに仕上がっています。明確に狙われていることを表示することで、プレイヤーが敵の行動を予想してコントロールする狙いがありました。要はMMOのヘイトの単純化ですね。ヘイトは複雑だったんで、はっきりと狙われている理由が分かるように想定して作りました。

また初期バランスではターゲットを明確化することで、標的の分散化による敵の強さの上下の揺れを防ぐ意味もありました。例えば主人公・スカル・エルナの三人で戦ったとき、三回の攻撃が均等にバラけるのと、エルナが3回攻撃されるのでは難易度が大きく違います。それを防ぐために、ピンチになると狙われやすくなることで、難易度を高く保つようにしていました。

一方、挑発を使わないとまともに立ち回ることが出来ず、ザコ戦でのテンポも落ちるという弱点がありました。序幕版のようにクエール地方だけならまだしも、4地方+αも周るとなれば、プレイヤーへの負担は大きくなります。

それにギリギリの調整にしたことで、自分が調子悪いときテストしても、あんまり楽しくないなと感じました。初見プレイヤーはもちろん適正な戦い方はわからないので、このままだとマズイと思い、調整し直すことにしました。

じゃあ難易度の上下の揺れはどうすんねんということですが、時間をかけて作ってきた結果、全体的に楽なバランスに仕上げた上で、青ターゲットなしでもゲームバランスがかなり安定するようになりました。

例えば最初のボスゲルバの設定だと、
(序幕)
 
(本編)

相当とっ散らかっていたアクションが綺麗にまとまりました。(ただし今後も調整するかもしれません)

敵側だけでなくプレイヤーも、魔法が使える装備の追加、主人公のスキルポイントの増加、挑発から挑発攻撃への変更、詠唱や練気などの強化、ザコ敵の耐性数の減少、武器の命中率とクリティカル率の追加、装備品の値下げなど、上方修正が多々入るようにしました。

意識したのはガチガチの戦略よりも、プレイした時の気持ちよさ。多少のランダム要素を受け入れた上で、攻撃が気持ちよく入り、訪れたピンチからも逆転できるような難易度です。

だからといって、全てが簡単になったわけではありません。レベルが低ければ敵との戦いはその分厳しくなりますし、仲間を揃えなければ事故死は当たり前です。ひとりで武鬼の洞窟を探索して、先制攻撃を受けて即退場したときはさすがに笑ってしまいました。

レベル差を覆すならどういった装備をすればいいか、スキルポイントをどう振り分ければいいかは、プレイヤーの腕の見せ所です。本作は敵を無視して突破することも出来るので、先にダンジョンのアイテムを回収するのも強くなる秘訣です。もちろん難易度が厳しいという人はレベル上げすることでカバーすることも出来ます(今のところレベルは上がりやすいはずです)。

それでもどうしても勝てない人にも救済措置を用意する予定で、例え一戦もしなくても、エルダーユまで辿り着けるようにイベントを設定しています。先にあっちに行ったりこっちを行ったりと冒険をして、自分なりにゲームを遊んで頂いたらそれで良いと思います。ただし、各シナリオの結末を見たいのならば、強敵との戦いは必須です。特にフリンゼ地方に向かう前に立ちふさがるボス「ハンマーゴーレム」は、今までの戦闘のおさらいに当たり、容赦ない攻撃と20ターン制限で苦しめてきます。真相を知りたいのであれば頑張って倒してください。

ということで、エルダーユ編も頑張って作っている最中です。調整は大変ですが、より楽しいバランスになっていくのを感じていくのは制作の醍醐味でもありますね。シナリオもひとつの山を越して、ゆっくりと着実に進んでいます。お楽しみに!ではでは三┏ ( ^o^)